日本人の体のルーツはどこから その1

ダイエット

ダイエットを続けていて、時々、思うことがある。それは、日本人と世界の人々の体つきだ。比較する場面がオリンピックや世界陸上といった競技の場であったり、野球やサッカーというアスリートが集う場所なので、その対象が欧米人なのは、偏った味方なのかもしれないが、それにしても欧米人の体は明らかに日本人とは違う。頭の小ささや手足の長さ、筋肉の付き方は東洋人と西洋人ではかなり違うように見受けられる。勿論、世界で活躍する日本人もいる。すぐに思い浮かぶのがロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平さんだ。しかし大谷翔平さんの体格は、身長193㎝、体重95㎏である。これはもう、普通の日本人の体格ではない。まあ、体から作りが違うのだろう。因みに日本人男性の平均値は大谷さんと同じくらいの年齢だと身長170㎝、体重66㎏とある。この数字だけでも大谷さんが、特別素晴らしい身体能力の持ち主であろうことが分かるというものだ。そして、そのような人は、ごく稀にしか存在しない。謂わば、「特別」なのだ。

平均的な日本人の体格である、身長170㎝、体重66㎏(年齢20代後半の男子)は、遺伝子レベルで決定している民族的な傾向なのだ。その傾向は体格だけでなく、世界的に見れば病気や肥満といったものでも大きく違っているのだ。今回は特に肥満についてお話したいと思う。そして、日本人に合った食生活というものが、仮にあるのであれば、それは私達のルーツとも言うべき縄文や弥生時代の人達の生活に何か隠されたヒントがあるではないかと思っている。何しろ私達の体の中には彼らのDNAが存在しているのだから。

日本人の肥満は世界何位?

肥満といえば、アメリカである。正確に言えば、世界で肥満が多い国といってすぐに思いつくのがアメリカである。アメリカといえば、ファストフードである。ハンバーガーをドカ食いして、セットのコーラは1リットルサイズという絵がすぐに思い浮かぶ。あるいは、300gのステーキが2枚、フライドポテトにビールがぶ飲みの図が浮かぶのだが、勿論これは私の偏見であろう。

では実際の世界肥満ランキングの1位はどの国なのか。調べてみるとナウル共和国とあるる。申し訳ないのだが、知らない国だ。オーストラリアの近くの島国らしい。このナウル共和国、実に成人男性の58.7%が肥満なのだ。(基準は男性18以上人口のBMI比率)よく見ていくと、上位は全て島しょ国。小さな島国だ。アメリカはと見ていくと、11位とある。まあ、しかし、先進国としてはTOPだ。因みに先進国のみを見ていくとニュージーランド15位、オーストラリア16位、カナダ17位、イギリス24位、と続き、日本はと見ていくと何と、191か国中、147位と出てくる。肥満者は4.8%だ。そう、日本人は実は極めて肥満が少ないのだ。

特に先進国だけ見てみると下から2番目に肥満が少ない国の一つである。因みに、最も少ないのが韓国だ。

ここまでのデータは男性だけである。同じ方法で女性の肥満度も調査されている。そのデータによると、日本女性の肥満度は191か国中なんと190位。先進国としては最低である。男女合計では日本が先進国中最も肥満が少ない国といえる。

嘗てカプサイシンダイエットなるものがあった

そういえば10年くらい前に、カプサイシンダイエットというのが流行った。その時の触れ込みが「韓国人は痩せている。その秘密はキムチなど、唐辛子入りの食品を多く食べるからだ。唐辛子の中に入っているカプサイシンは代謝を促進し、脂肪を分解するために痩せるのだ。」という触れ込みだった。勿論今では、そんなダイエット法は誰もやっていない。実際に先進国中、最も肥満が少ない国である日本は唐辛子など、さほど食べないし、苦手な人も多い。まあ、今現在、全く見かけないのだから、一時のブームでしかなかったのは確実だ。

さて、この数字だけ見ると、日本は肥満対策など必要ないように見える。しかし、どうだろう。貴方は街のそこここで、ダイエットの言葉をみないだろうか。実際、テレビ、雑誌にはダイエットの広告があふれている。事実、この記事もダイエットの話しである。ダイエットのネタだけで上場した企業すらある。こんな国が他に、どれくらいあるのだろうか。事実、日本と同じくらいの肥満率の国、例えばインドネシア、ベナン、ブータン、ジンバブエ等、これらの国ではダイエットどころではないだろう。恐らく、食生活は日本よりも質素であろうことが予想される国ばかりである。

日本に肥満が少ない理由

私は日本人にこれだけ肥満が少ないのは国民の多くが高度な教育を受けており、肥満に関心を持ち、正しい知識のもと、生活を改善している証拠ではないかと思う。少し前に、終了したテレビ番組に「ためしてガッテン」というのがあった。この番組で紹介された健康に良い食品は翌日にはスーパーなどで品薄になることがあるほどだった。日本人は事程左様に健康好きなのだ。それは平均寿命にも表れていて、日本は男女共に世界一である。オタク文化発祥の国だけあって、健康オタクも沢山いる。これらの数値はこう言ったことが原因の一つかもしれない。

事実、和食は体に良いのだ

だが、それだけではあるまい。事実、日本人がスリムなのは日本食を食べているからだ、という説があり、近年では欧米で、ヘルシーな食事として日本食が取り上げられている。

実に隔世の感がある。というのは、私が子供の頃の話である。今から40年以上も前の話しだ。そのころの日本は欧米にとても強いコンプレックスを持っていた。勿論それはコインの裏表である。欧米人からしてみると日本人などは劣等な民族で日本などと言う国は、その他大勢の三等国であった。今ではあまり見ないが、当時の風刺画などは眼鏡をかけて、カメラを首からぶら下げている、いかにも田舎者的なのが日本人のアイコンであったのだ。

日本人は魚を生でたべる。この言葉を欧米人は奇妙な捉え方をした。すなわち、生の魚を調理などせず、頭もヒレもウロコも取らずにそのままバリバリと食べていると思ったらしい。そんな人間はいるわけがない。しかし、そのように捉えられるほど日本人はバカにされていたのである。間違いなく野蛮人だと思われていたのである。そんな日本食であるが、今になってみれば欧米の食事、特にアメリカの食事などは実に大雑把に見える。油をそれほど使わない日本食は確かに低カロリーである。そして、味も多彩である。実際にも現在のアメリカでは、女性が食事に誘われたとき、和食の店であれば、良いところに誘われたと思うである。まさに隔世の感だ。繊細な技巧を凝らし、薄味にしたてられた和食であれば、味も満足いくものであろうし、確かに健康的であろう。しかし、そんな和食であっても、それが受け入れられるには、先に書いたように人種や民族的な差別意識が時代とともに薄まってきたからと理由なしには成立しなかったであろう。

さて、そんな和食は長い試行錯誤により現在に至っているものである。そして、その食事のルーツも行き着くところは縄文や弥生時代に繋がるのだと思う。

縄文と弥生時代と一括りで書こうと思ったのだが、実はそれほど単純な話ではないことが分かった。。この二つの時代には大きな隔たりがあったのだ。さらに、その後、日本人には肉食を禁忌していた時代がある。その期間は実に1,200年に及ぶのだ!これは何かあるに違いない。(その2へ続く)

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